雅歌6-8; ガラテヤ4

雅歌

第6章

6:1女のうちの最も美しい者よ、
あなたの愛する者はどこへ行ったか。
あなたの愛する者はどこへおもむいたか。
わたしたちはあなたと一緒にたずねよう。
6:2わが愛する者は園の中で、群れを飼い、
またゆりの花を取るために自分の園に下り、
かんばしい花の床へ行きました。
6:3わたしはわが愛する人のもの、
わが愛する者はわたしのものです。
彼はゆりの花の中で、その群れを飼っています。
6:4わが愛する者よ、あなたは美しいことテルザのごとく、
麗しいことエルサレムのごとく、
恐るべきこと旗を立てた軍勢のようだ。
6:5あなたの目はわたしを恐れさせるゆえ、
わたしからそむけてください。
あなたの髪はギレアデの山を下る
やぎの群れのようだ。
6:6あなたの歯は洗い場から上ってきた
雌羊の群れのようだ。
みな二子を産んで、一匹も子のないものはない。
6:7あなたのほおは顔おおいのうしろにあって、
ざくろの片われのようだ。
6:8王妃は六十人、そばめは八十人、
また数しれぬおとめがいる。
6:9わがはと、わが全き者はただひとり、
彼女は母のひとり子、彼女を産んだ者の最愛の者だ。
おとめたちは彼女を見て、さいわいな者ととなえ、
王妃たち、そばめたちもまた、彼女を見て、ほめた。
6:10「このしののめのように見え、
月のように美しく、太陽のように輝き、
恐るべき事、旗を立てた軍勢のような者はだれか」。
6:11わたしは谷の花を見、ぶどうが芽ざしたか、
ざくろの花が咲いたかを見ようと、
くるみの園へ下っていった。
6:12わたしの知らないうちに、わたしの思いは、
わたしを車の中のわが君のかたわらにおらせた。
6:13帰れ、帰れ、シュラムの女よ、
帰れ、帰れ、わたしたちはあなたを見たいものだ。
あなたがたはどうしてマハナイムの踊りを見るように
シュラムの女を見たいのか。

第7章

7:1女王のような娘よ、
あなたの足は、くつの中にあって、
なんと麗しいことであろう。
あなたのももは、まろやかで、玉のごとく、
名人の手のわざのようだ。
7:2あなたのほぞは、
混ぜたぶどう酒を欠くことのない丸い杯のごとく、
あなたの腹は、
ゆりの花で囲まれた山盛りの麦のようだ。
7:3あなたの両乳ぶさは、
かもしかの二子である二匹の子じかのようだ。
7:4あなたの首は象牙のやぐらのごとく、
あなたの目は、バテラビムの門のほとりにある
ヘシボンの池のごとく、
あなたの鼻は、ダマスコを見おろす
レバノンのやぐらのようだ。
7:5あなたの頭は、カルメルのようにあなたを飾り、
髪の毛は紫色のようで、王はそのたれ髪に捕われた。
7:6愛する者よ、快活なおとめよ、
あなたはなんと美しく愛すべき者であろう。
7:7あなたはなつめやしの木のように威厳があり、
あなたの乳ぶさはそのふさのようだ。
7:8わたしは言う、「このなつめやしの木にのぼり、
その枝に取りつこう。
どうか、あなたの乳ぶさが、ぶどうのふさのごとく、
あなたの息のにおいがりんごのごとく、
7:9あなたの口づけが、
なめらかに流れ下る良きぶどう酒のごとく、
くちびると歯の上をすべるように」と。
7:10わたしはわが愛する人のもの、彼はわたしを恋い慕う。
7:11わが愛する者よ、
さあ、わたしたちはいなかへ出ていって、
村里に宿りましょう。
7:12わたしたちは早く起き、ぶどう園へ行って、
ぶどうの木が芽ざしたか、ぶどうの花が咲いたか、
ざくろが花咲いたかを見ましょう。
その所で、わたしはわが愛をあなたに与えます。
7:13恋なすは、かおりを放ち、
もろもろの良きくだものは、
新しいのも古いのも
共にわたしたちの戸の上にある。
わが愛する者よ、
わたしはこれをあなたのためにたくわえました。

第8章

8:1どうか、あなたは、
わが母の乳ぶさを吸った
わが兄弟のようになってください。
わたしがそとであなたに会うとき、
あなたに口づけしても、
だれもわたしをいやしめないでしょう。
8:2わたしはあなたを導いて、わが母の家に行き、
わたしを産んだ者のへやにはいり、
香料のはいったぶどう酒、ざくろの液を、
あなたに飲ませましょう。
8:3どうか、彼の左の手がわたしの頭の下にあり、
右の手がわたしを抱いてくれるように。
8:4エルサレムの娘たちよ、
わたしはあなたがたに誓い、お願いする、
愛のおのずから起るときまでは、
ことさらに呼び起すことも、
さますこともしないように。
8:5自分の愛する者によりかかって、
荒野から上って来る者はだれですか。
りんごの木の下で、わたしはあなたを呼びさました。
あなたの母上は、かしこで、
あなたのために産みの苦しみをなし、
あなたの産んだ者が、かしこで産みの苦しみをした。
8:6わたしをあなたの心に置いて印のようにし、
あなたの腕に置いて印のようにしてください。
愛は死のように強く、
ねたみは墓のように残酷だからです。
そのきらめきは火のきらめき、最もはげしい炎です。
8:7愛は大水も消すことができない、
洪水もおぼれさせることができない。
もし人がその家の財産をことごとく与えて、
愛に換えようとするならば、
いたくいやしめられるでしょう。
8:8わたしたちに小さい妹がある、まだ乳ぶさがない。
わたしたちの妹に縁談のある日には、
彼女のために何をしてやろうか。
8:9彼女が城壁であるなら、その上に銀の塔を建てよう。
彼女が戸であるなら、香柏の板でそれを囲もう。
8:10わたしは城壁、わたしの乳ぶさは、
やぐらのようでありました。
それでわたしは彼の目には、
平和をもたらす者のようでありました。
8:11ソロモンはバアルハモンにぶどう園をもっていた。
彼はぶどう園を、守る者どもにあずけて、
おのおのその実のために銀一千を納めさせた。
8:12わたしのものであるぶどう園は、わたしの前にある。
ソロモンよ、あなたは一千を獲るでしょう、
その実を守る者どもは二百を獲るでしょう。
8:13園の中に住む者よ、
わたしの友だちはあなたの声に耳を傾けます、
どうぞ、それをわたしに聞かせてください。
8:14わが愛する者よ、急いでください。
かんばしい山々の上で、かもしかのように、
また若い雄じかのようになってください。


ガラテヤ

第4章

4:1わたしの言う意味は、こうである。相続人が子供である間は、全財産の持ち主でありながら、僕となんの差別もなく、4:2父親の定めた時期までは、管理人や後見人の監督の下に置かれているのである。4:3それと同じく、わたしたちも子供であった時には、いわゆるこの世のもろもろの霊力の下に、縛られていた者であった。4:4しかし、時の満ちるに及んで、神は御子を女から生れさせ、律法の下に生れさせて、おつかわしになった。4:5それは、律法の下にある者をあがない出すため、わたしたちに子たる身分を授けるためであった。4:6このように、あなたがたは子であるのだから、神はわたしたちの心の中に、「アバ、父よ」と呼ぶ御子の霊を送って下さったのである。4:7したがって、あなたがたはもはや僕ではなく、子である。子である以上、また神による相続人である。
4:8神を知らなかった当時、あなたがたは、本来神ならぬ神々の奴隷になっていた。4:9しかし、今では神を知っているのに、否、むしろ神に知られているのに、どうして、あの無力で貧弱な、もろもろの霊力に逆もどりして、またもや、新たにその奴隷になろうとするのか。4:10あなたがたは、日や月や季節や年などを守っている。4:11わたしは、あなたがたのために努力してきたことが、あるいは、むだになったのではないかと、あなたがたのことが心配でならない。
4:12兄弟たちよ。お願いする。どうか、わたしのようになってほしい。わたしも、あなたがたのようになったのだから。あなたがたは、一度もわたしに対して不都合なことをしたことはない。4:13あなたがたも知っているとおり、最初わたしがあなたがたに福音を伝えたのは、わたしの肉体が弱っていたためであった。4:14そして、わたしの肉体にはあなたがたにとって試錬となるものがあったのに、それを卑しめもせず、またきらいもせず、かえってわたしを、神の使かキリスト・イエスかでもあるように、迎えてくれた。4:15その時のあなたがたの感激は、今どこにあるのか。はっきり言うが、あなたがたは、できることなら、自分の目をえぐり出してでも、わたしにくれたかったのだ。4:16それだのに、真理を語ったために、わたしはあなたがたの敵になったのか。4:17彼らがあなたがたに対して熱心なのは、善意からではない。むしろ、自分らに熱心にならせるために、あなたがたをわたしから引き離そうとしているのである。4:18わたしがあなたがたの所にいる時だけでなく、いつも、良いことについて熱心に慕われるのは、良いことである。4:19ああ、わたしの幼な子たちよ。あなたがたの内にキリストの形ができるまでは、わたしは、またもや、あなたがたのために産みの苦しみをする。4:20できることなら、わたしは今あなたがたの所にいて、語調を変えて話してみたい。わたしは、あなたがたのことで、途方にくれている。
4:21律法の下にとどまっていたいと思う人たちよ。わたしに答えなさい。あなたがたは律法の言うところを聞かないのか。4:22そのしるすところによると、アブラハムにふたりの子があったが、ひとりは女奴隷から、ひとりは自由の女から生れた。4:23女奴隷の子は肉によって生れたのであり、自由の女の子は約束によって生れたのであった。4:24さて、この物語は比喩としてみられる。すなわち、この女たちは二つの契約をさす。そのひとりはシナイ山から出て、奴隷となる者を産む。ハガルがそれである。4:25ハガルといえば、アラビヤではシナイ山のことで、今のエルサレムに当る。なぜなら、それは子たちと共に、奴隷となっているからである。4:26しかし、上なるエルサレムは、自由の女であって、わたしたちの母をさす。4:27すなわち、こう書いてある、
「喜べ、不妊の女よ。
声をあげて喜べ、産みの苦しみを知らない女よ。
ひとり者となっている女は多くの子を産み、
その数は、夫ある女の子らよりも多い」。
4:28兄弟たちよ。あなたがたは、イサクのように、約束の子である。4:29しかし、その当時、肉によって生れた者が、霊によって生れた者を迫害したように、今でも同様である。4:30しかし、聖書はなんと言っているか。「女奴隷とその子とを追い出せ。女奴隷の子は、自由の女の子と共に相続をしてはならない」とある。4:31だから、兄弟たちよ。わたしたちは女奴隷の子ではなく、自由の女の子なのである。


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